経過
国は、平成25年6月に日本経済の再生に向けた成長戦略、「日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)」において、「農林水産業の成長産業化」を掲げ、その成果目標として、今後10年間で、全農地面積の8割が「担い手」に集積・集約することなどをまとめた「農林水産業・地域の活力創造プラン(平成25年12月公表)」を公表しました。
このうち、生産現場の強化に関する具体的施策として、都道府県レベルに「農地中間管理機構」を設置し、地域内の農地を借り受けて、法人経営や企業等の担い手への農地集積・集約化に配慮して貸し付ける農地再配分スキームを確立するため農地中間管理事業を創設しました。[農地中間管理事業の推進に関する法律 平成25年12月13日公布]
長野県においては、「公益財団法人長野県農業開発公社」が県知事より平成26年4月に農地中間管理機構の指定を受け、関係機関・団体等と連携し多くの皆様から農地を借受け、担い手へ貸付を行う事業を実施しています。
また、農地の集積・集約化の取組を加速化していく必要から、国は事業のあり方全般について検討を行い、令和元年度に関連する法律等を改正し、事務手続きの簡素化や農地利用集積円滑化事業との統合一体化などの見直しを行いました。
公社では、これからも担い手への農地集積・集約化を進める中核的な機関として、市町村や農業委員会、農業協同組合等と連携・協力しながら担い手への農地の集積・集約化を進めてまいります。
長野県における10年後(令和5年度)の目標
長野県では農地中間管理事業の推進にあたり、「長野県農地中間管理事業の推進に関する基本方針」を定め効率的かつ安定的な農業経営を営む方(担い手)に対し、令和5年度までに68%まで農地の利用集積を進める目標を掲げ推進を図ることとしております。(基準年は平成22年度)
- 耕地面積 111,200ha
- うち集積面積 43,628ha
- 耕地面積 103,800ha
- うち集積面積 70,580ha
出典:長野県農地中間管理事業推進に関する基本方針
農地中間管理事業の骨格
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農地中間管理機構
地域内の分散し錯綜した農地の課題や利用を整理し、担い手ごとにまとまりのある形で農地が利用できるように配慮して貸し付けることを目的とした「農地中間管理事業」を実施するために知事が指定した法人です。
長野県においては、「公益財団法人長野県農業開発公社」が農地中間管理機構の指定を受けています。 -
農地中間管理事業
公社が実施する農地中間管理事業は次の事業です。- 農用地等の借受け
- 農用地等の貸付け
- 借り受けた農用地等を貸し付けるまでの間の管理の調整
- その他農地集積・集約に必要な業務
農地中間管理事業の一般的な流れ
利用権設定関係農用地利用集積計画書(一括方式機構集積・機構配分によるもの)
※地域計画区域外の農用地等に限る
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農地を貸したい人は・・・
- 農地の属する市町村の農政担当課または農業協同組合等へご相談ください。
- 地域の担い手の規模拡大または分散錯圃の解消につながるかどうかなどを検討し、農地の借り上げ期間や料金などをご相談いたします。
- 農用地利用集積計画書(一括方式機構集積)の作成を、市町村等の公社の業務委託先がお手伝いします。
- 農地として利用することが困難である農地などは、借り受けできない場合がございます。
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農地を借りたい人は・・・
- 公社が地域を定めて借受希望者の登録を行います。(必須)
- 公社の貸付先決定ルールに沿って、登録者の中から農地の利用者を定めた農用地利用集積計画書(一括方式機構配分)の作成を、市町村等の機構の業務委託先がお手伝いします。
- 農地の貸付ルールに沿って公平な貸付を行います。
農地中間管理事業の事務手続き
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公社が地域を定めて農地の借受者を登録します。
受付やご相談は、農地の属する市町村の農政担当課です。
登録は、地域に担い手が十分いる地域かを明確にして行います。
借受け登録希望者は、借受者登録要領に基づき申込してください。 -
貸付農地を受付けています。
受付やご相談は、農地の属する市町村の農政担当課です。また、農業協同組合の営農担当部署、市町村農業公社等でも相談に応じています。
受付は常時行っておりますのでお気軽にご相談ください。ただし、農地として利用することが困難である農地は借り受けできない場合があります。 -
登録者及び人・農地プラン等と調整して「人と農地のマッチング」を行います。
農地を貸付ける担い手の候補者を登録者の中から選定し、地域の協力を得て交渉やマッチングを行います。
担い手の選定にあたっては、公社の貸付先決定のルールに基づき公平・公正に行います。
なお、地域において農地の所有者と借受者のマッチングが成立している場合は、農用地利用集積計画(一括方式)により貸し借りを行います。 -
公社は「農用地利用集積計画書(一括方式機構集積・機構配分)」を機構の業務委託先の協力により作成・審査します。
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公社は利害関係人の意見を聴取した後、知事の同意を得て市町村へ計画書を提出します。
公社は作成した一括方式機構配分計画について、公社ホームページにおいて利害関係人からの意見聴取を行った後、知事へ協議を行い、知事の同意を得ます。
利害関係人は、1週間の意見聴取期間内に意見を提出することができます。(※利害関係人とは、農地の属する地域で登録されている借受者です。)
公社は、機構集積・機構配分の両集積計画を市町村へ提出します。 -
計画の公告を行います。
市町村では、あらかじめ農業委員会において利用権設定等が要件を満たしているかを審査し、農業委員会の決定を経て2つの計画の公告を行います。
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公告の完了後、公社は計画に基づき農地を所有者から借受け、担い手に貸付けます。
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公社は、農地の借受者から賃料を徴収します。
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公社は、農地の所有者に賃料を支払います。